「終末のワルキューレ」本誌 第35話のネタバレ解説。3回戦で戦う神側の闘士がポセイドンであるという知らせが届き、闘士選びに悩むブリュンヒルデの前に一人の男が名乗りを上げる。
本誌 第35話「全盛期(2)」のネタバレ
「終末のワルキューレ」の概要
人類の誕生から700万年。万物の創造主である神々によって1000年に1度開かれていた「人類存亡会議」にて、進歩の兆しがない人類を見限った神々は人類に「終末」を与える決議を行った。かくして、天界が誇る最強神たちと、秘術「神器錬成」によって神器と化した戦乙女たちと共に戦う最強の人類「神殺しの13人」(エインヘリャル)による、13番勝負の幕が上がる。
前回 第34話のおさらい
・アダムの死、人類に希望を抱かせる
・次女、フリスト現る
・フリスト、静かな怒り
・ブリュンヒルデ、驚く
前回のネタバレはこちら
「終末のワルキューレ」本誌 第35話のネタバレ
神側の闘士はポセイドン
第3回戦の神側出場者がポセイドンだという知らせを受けて愕然とした表情を浮かべるゲル。
隣りにいるフリストも驚きを隠せない。
まだ3戦目だというのに大将クラスの闘士が続くことに動揺するゲルは、ブリュンヒルデに対して矢継ぎ早に「どうするのか」という質問を繰り返す。
そんなゲルの口元に人差し指を押し付けて黙らせるブリュンヒルデ。
ブリュンヒルデは満面の笑みを浮かべながらゲルに「黙らないと、先にあなたの首をちょん切ってしまいそう」と首をかき切る動作をする。
その態度に恐怖し震え上がるゲル。
ブリュンヒルデの人格のブレに慄きながら、ゲルはフリストにしがみつくのだった。
悩むブリュンヒルデ
神界のタブレットのようなものを操作して次の闘士を選ぼうとするブリュンヒルデ。
しかし崖っぷちの状況での闘士選びに彼女は頭を悩ませるのだった。
レオニダス王、始皇帝、ミシェル・ノストラダムスといった名前がタブレットにより次々と浮かぶ。
しかし海のゼウス(ゼウス・エナリオス)と呼ばれるポセイドンに対抗しうる闘士を決めきれない。
そこに背後から一人の人物がフッと現れ、とある闘士の「レコード」をその手で選択してしまう。
その人物が近づく気配に全く気づけなかったブリュンヒルデは驚き、その顔を見上げる。
「吾が征こう」と呟くその人物が選択した闘士は佐々木小次郎であった。
自ら名乗りを上げたのは……
しかし、その場に現れた当人の顔を見てブリュンヒルデは困惑の表情を浮かべる。
側に居合わせたフリストやゲルも同じく、呆然と目の前の人物を見つめる。
レコードに表示される青年姿の佐々木小次郎。だが、実際の佐々木小次郎はそれとは程遠い老人姿だったのだ。
レコードとあまりに違うその姿に思わず「あなたが佐々木小次郎さんっスか?」と聞いてしまうゲル。
なぜならばラグナロクに召喚される魂は、亡くなった年に関係なく最も強い全盛期のはずだった。
ブリュンヒルデはゲルの言葉に同意し、慌てた様子で椅子から立ち上がる。
今刻(いま)が全盛期
ブリュンヒルデの立ち上がった反動でテーブルの上にあったポットが傾き落ちそうになる。
中身の牛乳が溢れながら落下するポットの取っ手に、静かに鞘に収めた刀を差し込む佐々木小次郎。
小次郎はそのポットを一滴の牛乳もこぼさずに引き寄せてしまうのだった。
おもむろにその牛乳を飲み干し「うまい」と呟く小次郎。さらに床に散らばったサルミアッキ・パイを見つけると、それも貪り食べ始めるのだった。
拾い食いをする小次郎を見て驚くフリストと、「やはり小次郎ではないのでは?」という疑問を口にするゲル。
しかしブリュンヒルデは一滴の牛乳もこぼさずにポットをすくい上げた動きに達人の技を見出していた。
天に召されてから四百数十年、己の剣を磨き続けてきたと言う小次郎。
「岩流の進化、未だ止まず」という彼の言葉にブリュンヒルデは輝くような笑みを浮かべる。
「今刻が小次郎の全盛期なり」小次郎は堂々とそう言い放つのだった。
36話へと続く
36話のネタバレはこちら
準備中
35話の感想・考察
ブリュンヒルデのキャラクター
終末のワルキューレのキャラクターの中で一番感情表現が豊かなのはブリュンヒルデだと思います。
狂言回しとしてストーリーを進めるだけではなく、ラグナロクの戦いに対するリアクションも抜群で見ていて飽きません。
サルミアッキ・パイのやけ食いなど可愛いらしい一面もあるかと思えば、ラグナロクの闘士たちもびっくりの顔芸など終末のワルキューレの面白さを大きく引き上げており、個人的にも大好きなキャラクターです。
老成した佐々木小次郎
今回で明らかになった人間側の闘士は佐々木小次郎でした。
しかしレコードに表示された凛々しい青年姿とは全く異なり、すっかり老人になっています。
創作物において武蔵より若く描かれる事が多い佐々木小次郎ですが、実際は巌流島での決闘時は老人だったという説もあります。
この終末のワルキューレにおいては、若くして決闘に挑んだようですが死んでから研鑽を積み続けたという設定のようで今後の掘り下げが楽しみです。
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