「終末のワルキューレ」本誌 第16話のネタバレ解説。戦国末期、その生涯において一度も勝利したことがなかった佐々木小次郎。その小次郎がいよいよポセイドンへと挑む。
本誌 第16話「最強の敗者」のネタバレ
「終末のワルキューレ」の概要
人類の誕生から700万年。万物の創造主である神々によって1000年に1度開かれていた「人類存亡会議」にて、進歩の兆しがない人類を見限った神々は人類に「終末」を与える決議を行った。かくして、天界が誇る最強神たちと、秘術「神器錬成」によって神器と化した戦乙女たちと共に戦う最強の人類「神殺しの13人」(エインヘリャル)による、13番勝負の幕が上がる。
「終末のワルキューレ」本誌 第16話のネタバレ
道場のお荷物
話は小次郎が剣の道を志し始めたときに遡る。
富田勢源の道場で少年「佐々木小次郎」はお荷物とみなされていた。
小次郎の遅刻を咎めて稽古をつける勢源の甥「景勝」に、すぐさま「参った」を宣言する小次郎。
景勝は小次郎に武士のなんたるかを説くが、勢源の弟「景政」は小次郎に剣才なしとして道場から追い出すことを勢源に進言する。
勢源が小次郎に勝負を直ぐに諦める理由を問うと小次郎は「実力で上回る景勝に、いま全力で戦って怪我でもしたら損」と答える。
それを聞いて呆れる師範代たちだが、勢源は「小次郎に足りないものは果たして剣才なのか」と呟くのだった。
小次郎の才
小次郎は自然の中に身をおいていた。木にぶら下がりながら景勝に勝つ方法を思案する小次郎の前に一匹のウサギが通りかかる。
そのウサギが野を駆ける様子を見て、目を輝かせる小次郎。小次郎は道場ではなく自然の中に師を求めていた。
小次郎は「肉を食べて体を作る、これも修行なり」と最後はウサギを捕獲して食べることにする。
肉を喰らいながらもカエルと蛇の対峙を観察し、カエルに食いついた蛇を鷹が攫っていく様子を見て戦の呼吸を学ぶ小次郎。
敗北する度に勝利への道筋を追求し、独り学び続ける。これこそが佐々木小次郎の才だった。
そして史上最強の敗者(ルーザー)へ
半年後、再び道場に姿を現した小次郎を目にして怒鳴りつけようとする景勝。
しかし別人のように発達した小次郎の体躯に絶句し、立ち合いを申し出る。
頭の中での146回の立会の末に景勝を超えていた小次郎は「結構です」と断るが景勝は木刀で斬りかかる。
次の瞬間、小次郎に両断される自分を幻視した景勝は「参りました」と床に伏す。
そこに現れた勢源に指南をしてくれるよう乞う小次郎。
木刀を構える勢源に虎を感じた小次郎は満面の笑みを浮かべるのだった。
再び道場に姿を見せなくなった小次郎。
数年後、小次郎の居場所を訪ねた勢源は目の見えなくなった自分でも分かる尋常でない修練の日々を感じ取る。
そして小次郎がすでに自分をも超えたことを理解する。
その後も伊藤一刀斎、柳生石舟斎、上泉伊勢守などの剣豪たちに負け続けながら最強を目指す小次郎。
こうして史上最強のルーザーは誕生した。
ポセイドンに立ち向かう小次郎
ポセイドンと対峙する小次郎は「ご指南願う」と言い放つと、おもむろに立ち上がりポセイドンへと歩を進める。
自らを強くしてくれた先達たちや森羅万象を背負い、三尺余りの長刀「物干し竿」をポセイドンへと振り下ろす小次郎。
それを難なく躱すポセイドンだが、小次郎は通常の刀の1.5倍の長さを持つ物干し竿の加速を岩燕の如く翻す必殺の剣技「燕返し」を繰り出す。
燕返しをも躱すポセイドンだが、刀に触れたポセイドンの髪が宙を舞う。
それを見たアレスやヘルメスが驚く中、ついにポセイドンは小次郎と目を合わせる。
小次郎は「やっと目が合ったな若造」と不敵に微笑むのだった。
17話へと続く
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16話の感想・考察
生涯で一度も勝ったことがない小次郎
16話は小次郎の人生を振り返る回となりましたが、冒頭の「ただの一度も勝利したことがなかった」という一文はなかなかインパクトがありました。
佐々木小次郎については色々な作品で描かれることが多いですが、史実において記録が少ないこともありキャラクター性は多種多様です。
その中でも終末のワルキューレの小次郎は武蔵と対峙し死んだときよりも、さらに年をとった状態で登場という珍しいものでした。
この老成した小次郎がどんなことをしてくれるのか、これからの展開が楽しみです。
また今回描かれた小次郎のキャラクターを考えると武蔵との決闘で命を落としてしまったことに若干の違和感を覚えます。
なぜ、敗北の後に勝利の道筋を追求するはずの小次郎が死合う事になってしまったのか。そのあたりもこの先の展開で明かされることを期待したいですね。
そして現状で底が一切見えず全く勝てるように思えないポセイドンとの戦いはどうなるのか。
この第3戦の行方も楽しみです。
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