「ヴァルラヴ」本誌 第31話のネタバレ解説。「牙」を食らった三沙の魂が、冥界を彷徨う。彼女が闇に引きずり込まれる瞬間、拓真が救出に現れる。
本誌 第31話「乙女の魂」のネタバレ
「ヴァルラヴ」の概要
顔が怖すぎて周囲から怯えられ、自らも人を遠ざけるようになってしまった高校生・亜久津拓真。
ある時、一人の少女を助けたのをきっかけに、9人の少女とルームシェアをしながら世界を救う戦いへと身を投じることになり――!?イチャイチャしないと生き残れない!?
「ヴァルラヴ」本誌 第31話のネタバレ
瀕死の三沙
場面は、ウルとガルムが去った後の亜久津家である。部屋では、痛手を負った二葉が目を覚ました。
「無理をするな、ひどい怪我だぞ」一千花が声をかける。
二葉は息を切らしながら、皆が無事か一千花に尋ねた。「三沙が牙をまともに食らった…」普通なら即死のところ、彼女は体内に仕込んでいた糸で臓器を瞬時に縫い合わせた。
現在は恋人が回復に努めており、いずれ身体は元に戻ると思われる。
一方、拓真は本を片手に絶望感を感じていた。彼が七樹や一千花を癒したときは、身体と魂に触れている感覚があった。
しかし、今感じられるのは三沙の身体だけである。「三沙さんの中には、もう魂が残っていない」事実、三沙の魂は暗闇の中を彷徨っていた。
「アタシもしかして、死んだ…のか?」彼女は寒さに震える。
冥界に現れた光
周りを見渡すも、出口は見当たらない。
そこは魂が行き着く最果ての闇…ニブルヘイム(冥界)であった。
その時、下から液状のものが三沙の身体にまとわりつく。彼女は、魂が引きずられるのを感じた。
(アタシの戦いはここで終わり…か)三沙は、今度こそ本当の最後だと覚悟する。
(もう、みんなに会えねえのか…)目には涙が浮かぶ。
(誰か…助けて…)すると、強烈な光が三沙にまとわりつくモノを吹き飛ばした。
そこに現れたのは拓真だった。
「タクマ!?…まさかお前も死んだのか?」
「話は後です!」
拓真の覚悟
場面は遡り、拓真が三沙救出作戦を早乙女姉妹に説明している。
彼はノルン(戦女神)との戦いにおいて、食べられた魂が身体に戻るのを見ていた。
拓真は、三沙の魂が身体を離れた直後であれば、本を使って助け出せると確信していた。彼は三沙を抱えながら、闇の中を突き進んでいる。
そして、彼の母親が亡くなって以来、周りに怯えていた時間が、闇を照らす光になっていた。そこに再び、闇の魔の手が三沙にまとわりつく。
その拍子に三沙の態勢が崩れ、拓真は彼女の股間に顔を密着させた。すると彼の力がみなぎり、三沙を背負いながら走り出す。
(ノルンとの戦いの後でよくこんな…)三沙は拓真に、自分を置いていくように言う。これ以上冥界にいると、拓真まで取り込まれる恐れがあった。
「エインヘリヤル(恋人)を殺すわけにはいかねぇ」
「それ一千花さんにも言われました」
確かに、拓真は直接闘うことはできない。今日も、後ろで皆を回復させることしかできなかった。だからこそ、拓真は強い男になりたかった。
「もう二度と情けない姿は見せない」彼は今までの自分と決別する覚悟だ。
三沙は彼の背中に温かさを感じ、それが「恋」か思い巡らす。
三沙の蘇生
場面は亜久津家の部屋に戻る。床の中の三沙が目を覚まし、姉妹らの目が輝いた。
「三沙おねえちゃん!」「みさねーちゃん!」妹たちが抱き着く。
隣の部屋では、一千花が号泣している。
「一千花お姉様は抱き着いて来ないので?」二葉が尋ねる。
一千花は、妹たちの後で存分に抱き着くつもりだ。
「それで…どう思います?一千花お姉様」
「恋人のことか」
ニブルヘイム(冥界)への扉を開いて魂を連れ戻すことは、もはや治癒という領域を超えていた。
何故、父親が拓真を「エインヘリヤル(恋人)」に選んだのか、二人は納得するのだった。
32話へと続く
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31話の感想・考察
三沙の死
二葉は自分が重症にもかかわらず、みんなのことを心配しています。そこには、彼女の優しさが現れていますね。
一方、心配なのは「牙」を食らった三沙の方です。拓真は彼女の身体を回復させようと必死です。
但し、七樹や一千花を癒した時とは違って、身体と魂に触れている感覚がありません。それは三沙の死を意味しているのでした。
脱帽ものの優しさ
ニブルヘイム(冥界)とは、実に不気味なところですね。裸のまま暗闇に投げ込まれるとは、三沙はかなりの恐怖を感じたことでしょう。出口が見当たらないと、絶望間を覚えるものです。
しかも、不気味な物体が身体にまとわりつき、闇の世界に引きずり込もうとします。そんな最中、三沙は残される姉妹のことを心配します。将に、脱帽ものの優しさですね。
全てが繋がった救出劇
三沙の絶体絶命の時、拓真が救出に来ました。彼は戦女神の攻撃の最中、本を通して冥界を見ています。
そして、本を使えば三沙を救出に行けると確信しました。それは、彼の魂が直感したことなのでしょう。
そして、彼が過ごした年月が助けとなります。将に、全てが繋がって成し得た救出劇ですね。
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